2009年07月31日 01:10
最近の読了記録
(27)「ビタミンF」 重松清著/新潮文庫
重松さんの短編7作。
背表紙の解説には『人生の"中途半端"な時期に差し掛かった人たちに贈るエール』と書いてあります。
派手ではないし、ドラマティックな事件が起こる年齢でもない。
でも、この年齢だからこそわかる苦労や葛藤が的確なことばで書いてあって、それはこの先の50代や60代とはまたちがった情景なんだろうなあと思わされた。
なんていうか、子を持つ親であるんだけど、自分の親にとってはまだ子どもでもある、みたいな。
両方と顔を合わせられる世代というのかな。
そこらへんの距離感の中途半端さが、とてもうまく表れている短編集だと思いました。
わたしは『かさぶたまぶた』がすごく好きで、この家のお父さんの告白(!)には衝撃を覚えたんですが、同時にすごくいいなとも感じました。
人間、完璧になれさえすれば心が満たされると思うな!みたいな。
そういう心意気って子どもにも伝染するんだな、っていうお話かな。
28)「流星ワゴン」 重松清著/講談社文庫
相変わらず重松さんを追っかけてますが(笑)、このお話はちょっとビタースイートって感じがしました。
自殺しようかと思いつめていた主人公は、交通事故死した親子に拾われてワゴンで過去へとめぐる旅にでる。
不思議な親子に加えて、なぜか若き日の父親もワゴンにあいのりすることに。
人生の岐路になったたいせつな場所を次々と訪れ、やがて主人公はだんだんと「気づき」はじめる。
ファンタジーなんでしょうが、「ああ、そうなのね」と納得できる現実感を持ったお話。
主人公の父親であるチュウさんがときおり見せる父親くささが痛し痒しというか、けっこう切ない気持ちにさせられます。
お受験のネガティブな面も見せられるけど、子どもにも子どもなりのルールみたいなものがあって、重松さんはそのフラットではない形を描き出すのがうまい作家だなあと思いました。
ラストもすこしだけほっとしたというか、長くて不思議な旅のひとつの着地点で、またここから岐路を選んだんだな、という感じ。
いまの人生ちょっと立ち止まってみたいなあ、と考えてる人に読んでもらいたい1冊。
(27)「ビタミンF」 重松清著/新潮文庫
重松さんの短編7作。
背表紙の解説には『人生の"中途半端"な時期に差し掛かった人たちに贈るエール』と書いてあります。
派手ではないし、ドラマティックな事件が起こる年齢でもない。
でも、この年齢だからこそわかる苦労や葛藤が的確なことばで書いてあって、それはこの先の50代や60代とはまたちがった情景なんだろうなあと思わされた。
なんていうか、子を持つ親であるんだけど、自分の親にとってはまだ子どもでもある、みたいな。
両方と顔を合わせられる世代というのかな。
そこらへんの距離感の中途半端さが、とてもうまく表れている短編集だと思いました。
わたしは『かさぶたまぶた』がすごく好きで、この家のお父さんの告白(!)には衝撃を覚えたんですが、同時にすごくいいなとも感じました。
人間、完璧になれさえすれば心が満たされると思うな!みたいな。
そういう心意気って子どもにも伝染するんだな、っていうお話かな。
28)「流星ワゴン」 重松清著/講談社文庫
相変わらず重松さんを追っかけてますが(笑)、このお話はちょっとビタースイートって感じがしました。
自殺しようかと思いつめていた主人公は、交通事故死した親子に拾われてワゴンで過去へとめぐる旅にでる。
不思議な親子に加えて、なぜか若き日の父親もワゴンにあいのりすることに。
人生の岐路になったたいせつな場所を次々と訪れ、やがて主人公はだんだんと「気づき」はじめる。
ファンタジーなんでしょうが、「ああ、そうなのね」と納得できる現実感を持ったお話。
主人公の父親であるチュウさんがときおり見せる父親くささが痛し痒しというか、けっこう切ない気持ちにさせられます。
お受験のネガティブな面も見せられるけど、子どもにも子どもなりのルールみたいなものがあって、重松さんはそのフラットではない形を描き出すのがうまい作家だなあと思いました。
ラストもすこしだけほっとしたというか、長くて不思議な旅のひとつの着地点で、またここから岐路を選んだんだな、という感じ。
いまの人生ちょっと立ち止まってみたいなあ、と考えてる人に読んでもらいたい1冊。
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