2009年05月20日 18:16
最近の読了記録
15)「全壊判定」 鎌田正明著/朝日新聞出版
地震で全壊という判定を受けた中古マンションの理事長を中心に、
建て替え派vs.補修派の論争と、住民それぞれの事情を描いた話。
ウチも以前マンションを買おうと考えていた時期があって、悩みに悩んで結局とりやめたので、マンションを買ってそこに暮らすってこういうことなんだな、と現実味を持って読むことができた。
なんとなく、全壊判定なら建て替えがいちばんいいんじゃないかと誤解していた。
ケースバイケースで、補修ですむならそのほうが経済的に負担が軽くすむし、直して使うから環境にもいいという見方もあるんですね。
戸建てなら個人で決定できるそうした方針が、120世帯をまとめなきゃならないマンションの苦労はほんとうに大きいと思う。
これが怖いところその1。
この本に描かれたマンションみたいに、エゴ剥き出しの住人が多い場合は特にキツイ。
こんなひどい話はそうありえないとは思いますが、賃貸とちがってさっさと出てゆくわけにもいかず、しかもローンはどんどんかさむわ売るにも売れないわというのがこの話の怖いところその2。
いちばん大きな疑問をもったのは日本の都市計画です。
マンション開発とか都市開発って、つきつめて考えるとなんのためにあるんだろう。
古い町並みや建物をたいせつに使っている国を見るとすごくうらやましく感じるときがある。
使い勝手があまりよくないという短所があるかもしれないけど、便利になりさえすればいい、めんどうだからぜんぶ壊して作り直せという風潮はちょっと不安。
これはだめ、あれもだめという共同住宅の狭い枠組みは、高いお金をだして買う側にしては納得いかない。
マンションを買って住むにしても売るにしても、もうすこし自由度が高いといいんだけど、それにはまず、なにごとも話し合って決めるという習慣があってこそだと思います。
この物語のラストは収まるべきところに収まったという感じですが、これからの都市開発に関しては大きな疑問を投げかけていて、久しぶりに重厚なバウムクーヘンのような一冊を堪能しました。
15)「全壊判定」 鎌田正明著/朝日新聞出版
地震で全壊という判定を受けた中古マンションの理事長を中心に、
建て替え派vs.補修派の論争と、住民それぞれの事情を描いた話。
ウチも以前マンションを買おうと考えていた時期があって、悩みに悩んで結局とりやめたので、マンションを買ってそこに暮らすってこういうことなんだな、と現実味を持って読むことができた。
なんとなく、全壊判定なら建て替えがいちばんいいんじゃないかと誤解していた。
ケースバイケースで、補修ですむならそのほうが経済的に負担が軽くすむし、直して使うから環境にもいいという見方もあるんですね。
戸建てなら個人で決定できるそうした方針が、120世帯をまとめなきゃならないマンションの苦労はほんとうに大きいと思う。
これが怖いところその1。
この本に描かれたマンションみたいに、エゴ剥き出しの住人が多い場合は特にキツイ。
こんなひどい話はそうありえないとは思いますが、賃貸とちがってさっさと出てゆくわけにもいかず、しかもローンはどんどんかさむわ売るにも売れないわというのがこの話の怖いところその2。
いちばん大きな疑問をもったのは日本の都市計画です。
マンション開発とか都市開発って、つきつめて考えるとなんのためにあるんだろう。
古い町並みや建物をたいせつに使っている国を見るとすごくうらやましく感じるときがある。
使い勝手があまりよくないという短所があるかもしれないけど、便利になりさえすればいい、めんどうだからぜんぶ壊して作り直せという風潮はちょっと不安。
これはだめ、あれもだめという共同住宅の狭い枠組みは、高いお金をだして買う側にしては納得いかない。
マンションを買って住むにしても売るにしても、もうすこし自由度が高いといいんだけど、それにはまず、なにごとも話し合って決めるという習慣があってこそだと思います。
この物語のラストは収まるべきところに収まったという感じですが、これからの都市開発に関しては大きな疑問を投げかけていて、久しぶりに重厚なバウムクーヘンのような一冊を堪能しました。
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