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読了

2008年12月13日 23:14

通教が思ったより手ごわく、かなり時間をとられているせいかブログの更新も滞ってます。
現実逃避のように読みまくってるので、読了記録ばかりで変わりばえしなくてすみません。

最近の読了記録
43)「ガダラの豚 1」 中島らも著/集英社文庫
44)「ガダラの豚 2」 中島らも著/集英社文庫
45)「ガダラの豚 3」 中島らも著/集英社文庫


中島さんの作品を読むのは初めて。
現実的な呪術や多岐にわたるアフリカの民族など、入り組んだ背景の話だけれど
作者のアフリカに対する愛情が感じられてとても読みやすかった。
わたしは今まで呪術について誤解していたかもしれない。
この本を読むと、アフリカの呪術はいわゆるウィッチドクターではなく、
その土地の民族と文化に根づいた「ヒーリング」にもなるのだとわかる。
日本のお祓いとも似ている。
鉄骨の高層ビルを建てるにも吉日を選んだりお供え物をしたりする日本という国もまた、
欧米諸国から見ると、ある意味こんな感じに映るのかなあと思った。

46)「ゴサインタン」 篠田節子著/文春文庫

ネパールの女性と見合い結婚した農家の跡取りが、だれにも想像できなかった過酷な経験を通して再生へとたどりつく話。
はじめから100ページぐらいは、あまりにひどい女性蔑視というか、外国人の嫁に対する人格無視の連続で吐き気がした。
この家の人間はとんでもない勘違いをしている。
でも物語が進むにつれて、それが外国人に対するおかしな優越感だけじゃなく、
土地の人々に対してもものすごい業を背負っていることを知り、
そのあたりから、このとんでもない主人公がどういう生き方を模索するのか興味がわいてきた。
なにもここまでしなくても……というくらいどん底の生活を味わいながらも、妻への思いを断ち切れない主人公。
途中で国際結婚をした夫婦が出てくるけれど、うまくふたつの文化を尊重しあい、歩み寄る努力もしていて、
こんなに近くにロールモデルがありながら、なぜ主人公はそれを理解しようとしなかったのかなと惜しい気持ちになった。
こういうタイプの男性って、「しつける」とか「口に合う料理」を作らせるとか言ってる時点で違和感がないんだろうか…じゃあ自分には逆のことができるのか、と。
最初から人間として対等につきあおう、わかりあおうという意志がないのでは、
嫁をもらうとか何とかほざく前に、幸せになれるとも思えない。

ラストで主人公は最初とはまるで別人のようになる。
人によって人生のレッスンの課題も量も違うけど、この主人公の場合は先祖までさかのぼって業を全部引き受けた感がある。
それだけの価値がある女性を見つけた、ということだろうか。




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