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読了

2008年08月29日 15:50

最近の読了記録
23)「ハリー・ポッターと死の秘宝(上)」 J・K・ローリング著/静山社
24)「ハリー・ポッターと死の秘宝(下)」 J・K・ローリング著/静山社


以下、多少のネタバレを含みます。

ハリーの長い冒険のエンドマークを見ることができて良かった。
全巻読破したけれど、正直言って4巻目くらいからは読むのが苦痛でした。
それは話が好きとか嫌いとかでなく、あまりにも状況が悲惨になりすぎて、ほんとうに楽しめなくなってしまったから。
ここまでたくさんの同胞を亡くし、夢も希望も奪われるだけの物語なんて読みたくなかったんです。
そして事実、最終巻でさえ終盤を迎えるまではあまり救われる展開ではなかったように思います。

そんな中で、かなり以前から気になっていたスネイプの人生が、やっとやっと明るみに出ました。
個人的にはスネイプの暗い面も、これまではリリーに対する思いやジェームズたちに対する嫉妬など理由が見え隠れしていたのでどうしても嫌いになれない人間くささがあったし、
ジェームズは確かに偉大な魔法使いだったかもしれないけど、みんなが思うほど好人物ではなかったのでは……と感じてました。
もちろん父親としてのハリーに対する情愛は確かなものがあったけれども。
シリウスはアズカバンに入っていたこともあって、けっして「いい人」だけではなかったってのはわかるんですよね。
辛らつなことを言ったりするのも彼の持ち味というか。

でもジェームズだけでなく、この最終巻ではダンブルドアも善と悪の間を揺れ動いた人物として描かれていて、
一気にページを繰る手が早くなりました。
信頼のおける人物だったはずのダンブルドアにもあんな過去があり、けっして幸せな生い立ちとは呼べなかったり、
逆にスネイプのハリーに対する屈折した情のようなものも垣間見れて、ああやっぱりな、と思ったり。
みんなが正しいことをしようとしたのに、結果として誰かを死に追いやったり、悲しい思いをしたりする。
名声や情報に振り回されて自己を見失うのは愚かで寂しいこと。
作者はそういうことを言いたかったのかな、とも思います。
最終章がとても生き生きとして素晴らしかったので、すべてはここに行き着くための話だったんだな、と感じました。



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