2010年05月11日 14:14
最近の読了記録
(13)「Story Seller」 伊坂幸太郎 他/新潮文庫
7人の作家による読みきり短編小説集。
有川さんの作品が読みたくて手にとったのですが、他の作品も予想以上に楽しめました。
中でも特に印象に残った作品を。
近藤史恵さんは『天使はモップを持って』しか知らなかったので、この本に収録されている『プロトンの中の孤独』を読んで、こんな小説を書いているんだ!と衝撃を受けました。
いままでまったく知らなかった自転車ロードレースの世界が垣間見られて、その繊細でありタフでもある人間関係の描写力に惹かれました。
有川さんの『Story Seller』はあまりに痛々しいというか、甘くはないけどものすごい恋愛小説だなと思わせてくれる濃い短編。
やっぱりラストがさみしい……残されるのが男性だと特にそう感じます。
道尾さんは以前に読んだ作品がどうしても受け入れられなくてそれっきりだったけれど、この本に収録されている『光の箱』もモチーフが裏暗いというか、好きではないです。
ただ、ラストできちんと幸せをつかんでいるヒロインたちが良かったのでかなり救われました。
ダークヒーローが暗躍する話とか、この人が書いたら似合いそう……と思わせてくれる作家さんかな。
本書でわたしのイチオシは、なんといっても本多孝好さんの『ここじゃない場所』。
失恋もので超能力もので非常に痛い話なんだけど、ラストがすごく響きました。
『大嫌い』の使い方をここまで心得てて、しかも辛気臭くならない失恋小説なんてなかなかお目にかかれない。
そういう意味で、この話を読めてすごく良かったです。
この作品は何か長編の序章というか番外編ぽい感じもするので、もしこのグループのほかの話があるならぜひぜひ読んでみたい。
(14)「冷静と情熱のあいだ Blu」 辻仁成/角川文庫
初めて辻さんの作品を読みました。
すごくおしゃれというか繊細な文章で、もしかしたらわたしが持っている本人のイメージと被ってるのかもしれないけど、どことなくヨーロッパっぽい(笑)。
修復士という職業をもっとよく知りたくてこの本を読みはじめたのですが、ふたりの心の動きを知りたくて赤い表紙のRossoもただいま読み進めています。
ヨーロッパの絵画を修復するという仕事は、壮大な過去と向き合い、それを未来へ送りだす手助けをする仕事なんだな、とおぼろげながらわかりました。
だれかが修復してくれるから、現代でもこうやって芸術を楽しめるんだな。
日本でも修復士さんはたくさん活躍されてると思いますが、ヨーロッパの修復士さんは日本の宮大工さんともちょっと似てますね。
(13)「Story Seller」 伊坂幸太郎 他/新潮文庫
7人の作家による読みきり短編小説集。
有川さんの作品が読みたくて手にとったのですが、他の作品も予想以上に楽しめました。
中でも特に印象に残った作品を。
近藤史恵さんは『天使はモップを持って』しか知らなかったので、この本に収録されている『プロトンの中の孤独』を読んで、こんな小説を書いているんだ!と衝撃を受けました。
いままでまったく知らなかった自転車ロードレースの世界が垣間見られて、その繊細でありタフでもある人間関係の描写力に惹かれました。
有川さんの『Story Seller』はあまりに痛々しいというか、甘くはないけどものすごい恋愛小説だなと思わせてくれる濃い短編。
やっぱりラストがさみしい……残されるのが男性だと特にそう感じます。
道尾さんは以前に読んだ作品がどうしても受け入れられなくてそれっきりだったけれど、この本に収録されている『光の箱』もモチーフが裏暗いというか、好きではないです。
ただ、ラストできちんと幸せをつかんでいるヒロインたちが良かったのでかなり救われました。
ダークヒーローが暗躍する話とか、この人が書いたら似合いそう……と思わせてくれる作家さんかな。
本書でわたしのイチオシは、なんといっても本多孝好さんの『ここじゃない場所』。
失恋もので超能力もので非常に痛い話なんだけど、ラストがすごく響きました。
『大嫌い』の使い方をここまで心得てて、しかも辛気臭くならない失恋小説なんてなかなかお目にかかれない。
そういう意味で、この話を読めてすごく良かったです。
この作品は何か長編の序章というか番外編ぽい感じもするので、もしこのグループのほかの話があるならぜひぜひ読んでみたい。
(14)「冷静と情熱のあいだ Blu」 辻仁成/角川文庫
初めて辻さんの作品を読みました。
すごくおしゃれというか繊細な文章で、もしかしたらわたしが持っている本人のイメージと被ってるのかもしれないけど、どことなくヨーロッパっぽい(笑)。
修復士という職業をもっとよく知りたくてこの本を読みはじめたのですが、ふたりの心の動きを知りたくて赤い表紙のRossoもただいま読み進めています。
ヨーロッパの絵画を修復するという仕事は、壮大な過去と向き合い、それを未来へ送りだす手助けをする仕事なんだな、とおぼろげながらわかりました。
だれかが修復してくれるから、現代でもこうやって芸術を楽しめるんだな。
日本でも修復士さんはたくさん活躍されてると思いますが、ヨーロッパの修復士さんは日本の宮大工さんともちょっと似てますね。
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