2009年11月24日 16:00
最近の読了記録
(36)「英語のバカヤロー!」 古屋裕子編/泰文堂
「英語の壁」に挑んだ12人の日本人、という副題のとおり、英語で苦労した12人の方々へのインタビューが収められています。
ここに書かれているのは、海外で生まれ育った帰国子女ではなく、二十歳をすぎてから英語圏に1年以上の滞在経験を持っている人のみ。
理系の学者さんが多いですが、学会には英語での論文がつきものということで、みなさんたいへんな苦労を経験されています。
養老さんのいう、日本語のあいまいさvs英語の明確さは、わたしも翻訳を学ぶうえでしょっちゅう痛感しているし(そしてよくひっかかって失敗する)、上野さんのいう「モノリンガルに対する『ざまみろ感』」(非常に言い得て妙!)もよくわかる。
ひとつの言語を使えるようになるということは、その裏につらなる数々の努力と涙とちょっとの笑いが支えてるからこそなんだなあ、と思いました。
もともと英語好きであるわたしはここまでいやだいやだと思いながら勉強した記憶はないけど、それでも泣くほどの苦労なら充分しました。
だから英語嫌いの方々が経験された苦労はいかばかりかと思うと、自分ももっと見習わないとな!としゃきっとした気分にさせられます。
(37)「フリーター、家を買う」 有川浩著/幻冬舎
二流大学を卒業して入った会社を3か月でやめた主人公・誠治が、その後フリーターをしながら家族の問題に対処しつつも正社員となって成長してゆく話。
タイトルで『家を買う』ってなってるけど、正確には誠治は「ローンの頭金を出す」ですね。
それでもすごいことだと思うけど、もっと「住宅ローンは固定金利か変動かでこんなに違う!」とか「後悔しないための物件選び」とか「この家がすごい!」とか、そんな内容なのかなーと思っていたわたしはかなりびっくりしました。
……ま、そんな生々しい実情が知りたいならフィクションじゃなくてもいいのか(笑)。
有川さんってこんなガツンとした文章も書くんだ……ちょっとクセのある書き方をする人だなあと思っていたので、比較的オーソドックスな文体のこの本はすごくのめり込めた。
とにかく誠治の母親が罹ったうつ病の描写がリアルで、読んでいて痛々しかった。
ここまで原因を特定できるのってほんとうはまれで、実際はそれこそいろーんな要因がつもって発病するんだろうと思います。
読んでいるあいだずっと母親が不憫で不憫で、しかも父親の態度があまりにもひどいので泣きたくなり、家族がかわいがっていた猫のエピソードのくだりで涙腺が決壊しました……ひどすぎる。
こんな町だったら、わたしなら賃貸でいいので即刻引越します。
でも誠治って、えらいよね。
それまで甘ったれて好きほうだいしてた二十代にしては、ブレがすくないというか。
生きる意味って、やっぱり大事なだれかを支えることと直結してるのかなあ。
病気の母を支える誠治の描写と同じく、ラストで子猫の世話をはじめた母親の描写を読みながら、そんなことを感じました。
つぎは『植物図鑑』を読みます♪
(36)「英語のバカヤロー!」 古屋裕子編/泰文堂
「英語の壁」に挑んだ12人の日本人、という副題のとおり、英語で苦労した12人の方々へのインタビューが収められています。
ここに書かれているのは、海外で生まれ育った帰国子女ではなく、二十歳をすぎてから英語圏に1年以上の滞在経験を持っている人のみ。
理系の学者さんが多いですが、学会には英語での論文がつきものということで、みなさんたいへんな苦労を経験されています。
養老さんのいう、日本語のあいまいさvs英語の明確さは、わたしも翻訳を学ぶうえでしょっちゅう痛感しているし(そしてよくひっかかって失敗する)、上野さんのいう「モノリンガルに対する『ざまみろ感』」(非常に言い得て妙!)もよくわかる。
ひとつの言語を使えるようになるということは、その裏につらなる数々の努力と涙とちょっとの笑いが支えてるからこそなんだなあ、と思いました。
もともと英語好きであるわたしはここまでいやだいやだと思いながら勉強した記憶はないけど、それでも泣くほどの苦労なら充分しました。
だから英語嫌いの方々が経験された苦労はいかばかりかと思うと、自分ももっと見習わないとな!としゃきっとした気分にさせられます。
(37)「フリーター、家を買う」 有川浩著/幻冬舎
二流大学を卒業して入った会社を3か月でやめた主人公・誠治が、その後フリーターをしながら家族の問題に対処しつつも正社員となって成長してゆく話。
タイトルで『家を買う』ってなってるけど、正確には誠治は「ローンの頭金を出す」ですね。
それでもすごいことだと思うけど、もっと「住宅ローンは固定金利か変動かでこんなに違う!」とか「後悔しないための物件選び」とか「この家がすごい!」とか、そんな内容なのかなーと思っていたわたしはかなりびっくりしました。
……ま、そんな生々しい実情が知りたいならフィクションじゃなくてもいいのか(笑)。
有川さんってこんなガツンとした文章も書くんだ……ちょっとクセのある書き方をする人だなあと思っていたので、比較的オーソドックスな文体のこの本はすごくのめり込めた。
とにかく誠治の母親が罹ったうつ病の描写がリアルで、読んでいて痛々しかった。
ここまで原因を特定できるのってほんとうはまれで、実際はそれこそいろーんな要因がつもって発病するんだろうと思います。
読んでいるあいだずっと母親が不憫で不憫で、しかも父親の態度があまりにもひどいので泣きたくなり、家族がかわいがっていた猫のエピソードのくだりで涙腺が決壊しました……ひどすぎる。
こんな町だったら、わたしなら賃貸でいいので即刻引越します。
でも誠治って、えらいよね。
それまで甘ったれて好きほうだいしてた二十代にしては、ブレがすくないというか。
生きる意味って、やっぱり大事なだれかを支えることと直結してるのかなあ。
病気の母を支える誠治の描写と同じく、ラストで子猫の世話をはじめた母親の描写を読みながら、そんなことを感じました。
つぎは『植物図鑑』を読みます♪
コメント
コメントの投稿